「Netflixがジブリ作品を世界配信へ」から思う拡大する動画サービスの存在感
1月20日以下の記事が配信されました。
米ネットフリックスは2月から4月にかけて順次、「となりのトトロ」などスタジオジブリ(東京都小金井市)の21作品を日本と米国、カナダを除く世界約190カ国で配信する。
日本経済新聞
また北米ではワーナメディアの動画配信サービス「HBOマックス」がジブリ作品を配信するということで、2020年は動画配信サービスにスタジオジブリが本格的に進出する年になりそうです。ただし日本では日本テレビとの関係もあるのか、もし動画配信されるとしたら日本テレビ子会社のHuluとなりそうですがその予定はまだないようです。
鈴木Pは否定的?
以前テレビ番組でスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんは、Netflixなどへの作品提供について「二束三文にして扱われるのは嫌だ」と話されていました。ではなぜ今回Netflixや他の動画配信サービスにジブリ作品を提供することになったのでしょうか?
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拡大する動画配信、と衰退するテレビやDVDなどの既存メディア
ジブリ作品はこれまで以下のような順番で一般に親しまれてきました。
- 映画館で公開
- DVDの販売
- 日本テレビで放送
特にDVDを繰り返し見たやテレビで何回放送しても高視聴率を取るというのはよく聞く話ですよね。
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ビジネスモデルの衰退
しかしこのビジネスモデルにちかごろ異変が起きているように感じます。先の参議院選挙で「NHKをぶっ壊す」をスローガンにNHKから国民を守る党が躍進しましたが、そもそもそんなことをしなくても壊れる事態になってきているようです。「テレビ離れ」といってテレビを持たない人が特に若い世代で多くなってきたことです。
またテレビがないということは、DVDが見れないということにもつながります。これまでDVDプレイヤーとして活躍してきたパソコンもWindowsの最新版OS「Windows10」からはDVDを見ることができなくなりました(これまで無料でついてきたDVD再生ソフトが有料となった)。
どんなに素晴らしい作品でも見てもらえる環境が無ければ、この先忘れ去られてしまうかもしれません。
これまで頑なに動画配信サービスへの作品提供を拒んできたジブリが、方針転換を決断した背景にはこういった「既存メディアの衰退」と「ネットの躍進」があるように思います。
動画配信サービスの賢い使い方
現在日本の動画配信サービスはアメリカや日本の企業が数多く参入し混線状態になっています。主な動画配信サービスと料金(税抜き)は以下の通りです。
Netflix | 800円 ベーシック |
appleTV+ | 600円 |
Amazonプライムビデオ | 月間プラン:500円(税込) 年間プラン:4,900円(税込) |
Hulu | 933円 |
U-NEXT | 1,990円 |
FODプレミアム | 888円 |
dTV | 500円 |
個人的にもNetflixとHuluは加入したことがあります。ただ思うのは1年間ずっと加入し続ける必要があるのかな、ということです。見たいドラマや映画は特にマニアでなければ限られていますし、また毎日見続ける時間もありません。だったら見たいとき1か月分だけ加入してざっと集中してみて解約する。そんな”賢い”使い方もあるのではないでしょうか?
苦戦する?日本勢
動画配信サービスにはアップル、アマゾンのようなGAFAと呼ばれる超巨大企業が参入しています。オリジナルコンテンツ制作にかける製作費の額も桁違いの金額です。日本企業のU-NEXTはユニークなコンテンツを並べることによって人気があるようですがこれから先どうなるかはわかりません。
スタジオジブリは日本の資本で素晴らしい作品を生み出してきましたが、次の世代には第2第3の”ジブリ”はNetflixやアップルのような外資企業の支援のもと誕生する時代になるのかもしれませんね。
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