突如始まった大ボラ相場
2020年2月20日からFXのドル円相場が大きく動き出しました。
20日に1ドル112円台だったのが3月9日には1ドル101円台に、そして現在(3月21日)は110円台に戻して今週の取引を終えました。個人的な体感ではそれ以前(2017年~2020年2月)の低ボラティリティ相場から比べると10倍ほど大きな値幅で動いているように感じます。ではなぜこのようにドル円相場が大きく動きだしたのでしょうか。そもそもこれまで低ボラティリティ相場だった原因はなんだったのでしょうか?
ネットで調べてみると以下のようなことが原因の1つと分かりました。
第1の要因はファンダメンタルズの安定化。
会社四季報ONLINE
経済の成熟化に伴って、経済成長は低位で安定しやすくなる。
2017年から2020年の間に世界中でいろいろなことがありました。
- トランプ大統領の誕生(2017)
- 北朝鮮、核実験連発(2017)
- 中国、習主席の任期無期限へ(2018)
- プーチン4選(2018)
- 韓国、朴槿恵に実刑判決(2018)
- 米中貿易戦争(2019)
- 香港で学生デモ始まる(2019)
振り返ってみるとその時その時驚いたり、ハラハラドキドキするようなことがあったように思いましたが為替相場に大きな影響は与えなかったようです。では2020年ここまで為替を大きく動かした事件は何なのでしょうか?
中国、武漢発の新型コロナウィルスが世界に広まる
これなのかなと考えざるを得ません。世界中の都市の封鎖や外出禁止などは前代未聞の現象でした。もちろん為替相場だけでなくNYダウ、日経平均株価もリーマンショック級の乱高下をしています。
始まりの予兆
個人的にはいずれドル円の大ボラティリティ時代がやってくるのではという予想はありました。
その理由として以下の1996年からのドル円月足チャートを見て下さい。過去20年で見てみるとここ3年間ほどがもっとも長く低ボラティリティだった状態なのが分かります。世の中は同じ状態がずっと続くなんてことはありません。
- 安定→動揺(不安定・変動)
- 平和→戦争
- 凪→時化
のように交互に繰り返していくものです。であれば近い将来大ボラティリティ時代がやってくるはず、そんな風にぼんやりと考えていました。
多くのFXトレーダーが大損した
下記はツイッターで募集した「3月になってからの大ボラ相場で得した?損した?」のアンケート結果です。
約75%程度の人が損失を出したようです。
またYouTubeで「FXで爆益中です」なんて投資結果を動画にしてあげていた投資系ユーチューバーたちも大きな損失を出した人(中には含み損1億円なんて人も)が多いようです。ヤフーの為替掲示板でも2月までは「利益あげてます」なんて書き込みをしていた人も苦戦している方が多いように見えます。
原因は?
ではなぜこれほど大きな損失をだしている人が多いのでしょうか?
さらにYouTubeでも、ヤフー掲示板でも、これまで実力もあってしっかりと勉強してきて実績を上げてきた人たちがボラティリティが変わった程度で損失を出し始めたのでしょうか?その原因は、
3年間ほど続いた低ボラ相場 ルールも低ボラ仕様だった
からではないでしょうか?個人的な見立てではこれらの損失を出した人は
- 売買のタイミング
- 損切ポイントを置く位置
- トレード手法の選択(デイやスイングなど)
などがあいまいだったように思います。低ボラ相場で値幅がおとなしいのでそこまでシビアな設定にしなくてもこれまでは勝てていたものが、値幅が大きく激しくなると少しのミスも許さず損切させられてしまう。それが実力派FXトレーダーの大損の原因ではないでしょうか。
ピンチはルール見直しのチャンス
「ピンチはチャンス」こんな言葉もあります。
ボラティリティが変わっても通用する取引ルールを再構築する、見直すきっかけでもあります。個人的な感覚ではボラティリティこそ違うものの、チャートの形や上昇・下降のサインは以前の低ボラティリティ時代とまったく同じように見えます。
これまで作り上げたルールや手法をすべて捨ててしまうのではなく、それを土台に大ボラティリティ時代に対応したルールに見直しましょう。
取引ノートの活用
こんな時に有効なのが過去の取引を記録した「取引ノート」です。
新しく大ボラティリティ時代に対応した新ルールを作っても、また再び低ボラティリティ時代に変化した場合
- 通用しない
- 儲からない
では話になりません。取引ノートを見ながらどのボラティリティ時代であっても(多少の損切幅の修正などで)対応できるかどうかを考えながら新ルールを作成していきましょう。
いろいろな角度から見ることでこれまで気付かなかった自分の欠点が分かることもあるでしょう。少しぐらい損をだしたからと言って諦めて相場から退場してしまうのではなく、「ピンチはチャンス」と前向きにとらえてこつこつ努力を続けましょう。