安倍総理辞任、東証一時600円安に
安倍晋三首相は28日、辞任する意向を固めた。新型コロナウイルス感染症への対応で、年明けから6月20日まで147日連続で執務するなど激務が続いており、健康状態の悪化が理由とみられる。
産経新聞
安倍総理が辞任の意思を固めたとの報道が流れると日経平均株価、為替(ドル円・ポンド円など)は大幅下落のナイアガラ状態になりました。
数日前から「安倍総理は辞任するのでは」、28日午後5時からの会見で辞意を発表するのではと憶測は流れていました。
発表の40分前には党幹部の二階氏のこんな発言も
自民党の二階俊博幹事長は28日午前のTBS-CS番組収録で、安倍晋三首相が同日夕に行う記者会見で、退陣表明するのではないかとの憶測について「全く(ない)」と否定した。「会見は淡々とやるだろう」とも語った。
産経新聞
こういう発言で安心感があったのかドル円、豪ドル円などは順調に上昇してきただけに下落の衝撃は大きくなりました。
安倍政権の功績
安倍政権はこれまでの政権と大きく違うのは「憲法改正」を前面に押し出してきたことです。
憲法改正特に憲法9条の改正については、改憲派・護憲派の対立が酷く、特にオールドメディアと呼ばれるテレビ・新聞はそのほとんどが護憲派に属するため安倍政権が何をやっても批判的に報道することが多かったように思います。ではそれほど安倍政権はひどい政権だったのでしょうか?
就任から株価は2倍以上に
安倍政権の誕生時には日経平均株価は9,484円でした。それが本日終値では22,882円に上昇。
もちろん年金資金を投入して底上げをしているのではないかなど批判はありますがそれまでの民主党政権に比べ大幅上昇させたことは間違いありません。
TPP11
これも民主党政権末期に大もめにもめた話題です。アメリカのオバマ政権からトランプ政権に移り、アメリカの不参加などもあり一時はとん挫したようになりましたが日本を中心にTPP発足にこぎつけたのは大きな成果ではないでしょうか。
当初の目的でもある2国間交渉(日本とアメリカ)ではなく多国間交渉の枠組み(多数国とアメリカ)でアメリカとFTP交渉を行うということも実現させました。現在はTPP加盟国から地理的に大きく離れたイギリスの加盟も検討されています。
安全保障環境の整備
安倍政権と言えば安全保障環境の整備があげられます。
安保法制など反対デモもありましたが成立させています。ただ本丸である憲法改正にこぎつけられなかったのは安倍支持派からすれば残念でした。
コロナ対応
以下は8月21日時点でのアメリカと日本のコロナ死者数です。
国名 | 人口 | 死者数 |
---|---|---|
アメリカ | 3.3億人 | 174,255 |
日本 | 1.2億人 | 1,157 |
いろいろとPCR検査の数が少ないとかアベノマスクは不要だなどの声はありますが数字を見る限りマスコミが大たたきするほどひどいコロナ対策だったのかなと疑問に思います。
安倍政権を採点
投資家目線で言うと75点。よく頑張っていただいたのではないでしょうか。
特に民主党政権から安倍政権に変わった2012年→2015年の株価の上昇はすごいものがありました。この間に「億り人」と言われるような株長者がたくさん生まれたことも事実です。その点だけを考えてみても75点、いやなかには100点をつける人もいつのではないでしょうか?
マスコミに流されるな
安倍政権で一番印象に残ったのはマスコミに連日「モリカケ問題」などで非難されながらも政権支持率が40%台を維持し続けたことです。多くの国民はマスコミの情報を耳にしながらも評価するところは評価をした実例ではないでしょうか?
投資家にとっても周囲の「ほんとか?うそか?」分からない情報に惑わされずに淡々とルールを守り取引をするということは大事なことで、安倍政権を支持した40%の人は投資家向き(?)ともいえるのかもしれませんね。